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都内基準地価 上昇に急ブレーキ

2020-10-06

東京都が29日に発表した2020年の都内の基準地価(7月1日時点)は全用途平均で前年比0.6%上昇しました。8年連続の上昇となりましたが、前年(4.1%上昇)からは大幅に伸びが鈍化しました。新型コロナウイルスの影響で飲食業や観光業が厳しく、銀座の商業地が下落率トップとなりました。

都内では計1278地点が調査対象となりました。商業地の上昇率は1.3%と前年の6.8%から急減速しており、その中でも堅調だったのは新駅効果が出た地点でした。
最も上昇率が高かったのは港区虎ノ門1丁目で9.1%、6月に東京メトロの虎ノ門ヒルズ駅が開業したことなどが上昇要因となりました。上昇率3位の港区西新橋2丁目も同駅近くです。

森ビルが手掛ける虎ノ門ヒルズの2棟目となる大型オフィス「ビジネスタワー」が20年に開業します。その他にも大型開発が相次いでおり、街の活性化への期待は大きいです。ただ、虎ノ門1丁目は昨年の18.1%に比べると上昇率は鈍くなりました。

2位の港区高輪2丁目も、3月にJRの高輪ゲートウェイ駅が開業したことが地価を押し上げました。JR東日本による車両基地の跡地開発はこれからで、将来の不動産需要への期待も大きいです。

昨年上位に並んだ台東区浅草などの観光地はランキング上位から姿を消しました。新型コロナウイルスの影響で訪日観光客がいなくなったことや、外出自粛などが響いたようです。

商業地の下落率の上位をみると、中央区銀座が1位と2位を占めており、地元の老舗不動産会社は「夜の飲食や外国人相手の商売が厳しい。回復も鈍い。」と話しています。

同様に商業施設が立ち並ぶ新宿区新宿3丁目も下落率のトップ10(23区内)に3地点が入りました。また、飲食店が多い同区歌舞伎町も下落率3位となりました。

住宅地の価格は前年比で0.2%の上昇(前年は2.5%上昇)にとどまっており、商業地と同じく上昇にブレーキがかかっています。

上昇地点の上位を見ると、1位は港区赤坂1丁目で、商業地と同様に虎ノ門ヒルズ駅の新駅効果が出ました。区ごとの上昇率をみると、23区全てで上昇しており、新宿区と荒川区がともに2.6%上昇とトップで、文京区と北区が2.2%上昇で続いています。価格が高くなりすぎた都心部を避け、やや周辺部に需要が集まる傾向は昨年とほぼ同様です。

23区内の下落地点には大田区田園調布5丁目をはじめ、駅から遠い場所にある戸建て住宅街が並びました。こうした住宅街には商業施設もほとんどないため、静かで落ち着いている反面、利便性が劣るとして需要が減っています。

新型コロナの影響で在宅勤務が拡大していることもあり、駅近くの物件にこだわらない人が増えているとの見方もあります。ただコロナの影響で取引自体が少なかったこともあり、今回の基準地価にはこうした変化は明確には表れていないようです。今後についても調査会社の東京カンテイの井出武上席主任研究員は「商業施設が少ないなど生活者として不便な場所の人気が高まるとは考えにくい」とみているそうです。

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