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「東京BRT」来月運行開始

2020-09-25

東京都は10月1日から、都心部と湾岸部を結ぶバス高速輸送システム「東京BRT」の運行を始めます。2022年度以降を予定する本格運行に備えたプレ運行です。ただ、プレ運行では高速輸送の実現に向けた取り組みは限定的で、課題は多いです。都は数年かけて、解決策を探る方針です。

東京BRTは虎ノ門ヒルズ、新橋、勝どきBRT、晴海BRTターミナルの4停留所を結びます。全9台のうち連節バスは1台、残り8台は通常サイズで、うち5台が水素で走る燃料電池車(FCV)となります。連節バスは定員113人と通常型バスの5割増の人が乗車することができます。料金は一律220円、午前6時台から午後10時台まで運行します。

プレ運行は「高速」を意識した取り組みはほとんど導入されませんでした。東京BRTは諸外国のBRTと違い、専用レーンを持たないため、信号システムと連携し赤信号で止まらないようにする構想ですが、都の担当者によると現在は「警察との調整を進めている最中」とのことです。
このためプレ運行時の平均速度は交差点で止まっている時間を含めると時速11〜15キロと路線バス並みであるため、目標値の同20キロ超には及びません。築地市場の豊洲への移転が遅れた影響で、築地付近の道路の立体交差の工事が終わらず、交差点が多いことも速度低下に影響しています。

料金収受の方法は通常のバスと同様です。プレ運行では都営バスと同様に前扉からの乗車のみで、PASMO(パスモ)などICカードに加え現金での支払いも可能です。
乗車時間短縮のため、将来的にはICカードの利用を原則とし、カードを持っていない人は事前にバス停にある券売機でチケットを購入してもらう方針です。また、すべての扉から乗り降りできるようにすることを検討しています。ただプレ運行では券売機の設置が間に合わないとのことです。

車両面の課題もあります。東京BRTは将来的にすべての車両をFCVとする構想です。通常サイズのFCVはすでに都営バスなども導入を始めていますが、FCVの連節バスは存在しません。都は「メーカーと相談している段階」といいますが、実質的に東京BRTのためだけの専用車両の開発が進むかは見通せません。

湾岸の交通需要が本格的に増えるのは、五輪後に晴海の選手村の建物がリフォームを終え購入者に引き渡される22年度以降です。
プレ運行は、運行の課題を探ることや、運転に技術を要する連節バスのドライバー育成が主な狙いです。都は数年かけて、需要の見極めや運行の改善などを続けていきます。

今後、運営が改善し、想定通り遅れの少ない交通手段となったとしても課題は残ります。それは輸送力の不足懸念です。
都の想定では、全ルートに合わせて片道あたりピーク時で1時間に2000人程度の乗客輸送を見込みます。ただ選手村跡地の約5600戸に加え、豊洲や勝どき、豊海などでも住宅開発が続きます。4ルート合わせて1時間あたり20本走るとはいえ、通勤・通学のピーク時の輸送力は鉄道と比べて大きく劣ります。

輸送需要はテレワークの進展など、今後の働き方に大きく左右されます。それでも地元ではすでに「BRTでは輸送力が足りないため、地下鉄が必ず必要になってくる」(中央区幹部)といった声も出ています。

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