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「不動産投資 底打つ兆し」金利低下 6月取引額急増

2020-07-08

 新型コロナウイルスの影響で落ち込んでいた不動産投資に底打ちの兆しが出ている。6月の取引額は5月から急増し、先行指標である鑑定の問い合わせ件数はコロナ前の水準に戻った。感染「第2波」への警戒感はあるが、金利低下で不動産投資への関心が高まった。もっとも、取引の中心は都心の一等地などに偏っており、投資マネーによる選別は鮮明だ。

 不動産会社ユニゾホールディングスは今春、東京駅前の旗艦物件「ユニゾ八重洲ビル」(東京・中央)の売却入札を実施した。株式の非公開化に伴う資金調達の一環とみられ、入札には大手ディベロッパーや大手生保、米系ファンドなどが顔を出した。緊急事態宣言下の5月の最終入札を勝ち抜いたのは住友不動産だ。
 落札価格は800億〜900億円とみられる。同ビルは築50年超だが稼働率は高く、将来は周辺と一体での再開発が決まっている。「長期でみれば確実なリターンが見込める」(住友不幹部)として強気の投資に踏み切ったようだ。
 
国内不動産を巡っては新型コロナの感染が広がった3月以降、金融市場の混乱や対面手続きの自粛などが続き、取引の延長や中止が相次いだ。もっとも、一部の案件はコロナ下でも投資家の意欲が変わらず、売買が成立している。
 
ユニゾ八重洲ビルのように、立地の良さがコロナ下で売買された物件の特徴の一つ。英不動産大手グロブナーは4月末に銀座で約460平方メートルの土地を取得した。今後、自社で商業ビルの開発を計画する。商業施設はコロナの影響を大きく受けたが「将来必ずにぎわいが戻ってくる」(東京オフィスの村上大二郎エグゼクティブディレクター)とみる。
 コロナ禍によるインターネット通販の拡大などで人気が高まったのが物流施設だ。米物流施設大手のプロロジスは4月、日本通運の物流センター4棟を500億円超で取得すると発表した。景気の影響を受けにくい賃貸住宅では、ドイツの保険大手アリアンツが5月に東京23区内のマンション11棟を約1億1000万ユーロ(約130億円)で購入すると発表した。
 
不動産サービス大手のJLLによると、6月の取引額は約2800億円と5月(約360億円)から急増した。
前年同月比ではなお4割減だが、最悪期は脱しつつある。
 
大和不動産鑑定の6月7〜20日の問い合わせ件数は、1〜3月中旬の平均と比べて2%減で、7〜8割減で推移していた。4〜5月から急回復した。鑑定依頼は売買の先行指標で、ほぼコロナ前に戻った。竹内一雅主席研究員は「金融緩和で低金利が一段と進み、相対的に高い利回りが見込める不動産への関心は今後も高い」と話す。
 もっとも、「一等地」や「物流」「住宅」関連を除くとコロナ禍の影響が強く残る分野も少なくない。例えば都心以外のオフィスビルは、景気悪化や在宅勤務の定着で需要が減退する恐れがある。ドワンゴなどIT(情報技術)関連を中心にコロナ後も原則在宅勤務とする動きが広がり、6日には富士通が国内のオフィス床を2023年3月末までに半減させると発表した。ホテルや商業施設の経営環境も全体としてはなお厳しい。
 不動産取得のための資金を貸し出す金融機関側も選別色を強める。不動産サービス大手のCBREが4〜5月に金融機関に実施したアンケートによると、20年度にもっとも魅力的な物件タイプは物流施設(55%)がオフィスビル(23%)を上回った。融資額が減るとの回答もシニアローンで41%と前年比より31ポイントも増えており、融資が出る案件と出ない案件の明暗はよりはっきりと分かれそうだ。

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