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「有楽町線延伸なるか」国との交渉、問われる力

2020-07-08

 東京都の小池百合子都知事は2期目に向けた知事選の公約で、鉄道やモノレールの6つの新線、いわるる「6路線」を含めた交通ネットワークの強化を掲げた。4年前の知事選で公約とした「満員電車ゼロ」といった威勢の良い掛け声はなくなったが、大型インフラ関係では数少ない公約だ。

 「『事業化に向けた協議、調整を加速する』というが、加速するために具体的に何をするのか」。6月22日に開かれた江東区議会の特別委員会。「地下鉄8号線」(有楽町線)の分岐・延伸計画(豊洲ー住吉間)を巡り、区議らは出席した都の担当者にいらだちをぶつけた。
 8号線は有楽町線を豊洲駅で分岐し、東陽町駅を経て北上。住吉駅までつなげる約5キロの延伸計画で、東西線などの混雑緩和に大きな効果があるとされる。2つの中間新駅を設ける予定で、総事業費は1500億円程度を想定する。6路線の中でも設備効果が高いとされ、地元からの要望が強いのが8号線だ。
 
 8号線は有楽町線を豊洲駅で分岐し、東陽町駅を経て北上。住吉駅までつなげる約5キロの延伸計画で、東西線などの混雑緩和に大きな効果があるとされる。。2つの中間新駅を設ける予定で、総事業費は1500億円程度を想定する。6路線の中でも設備効果が高いとされ、地元からの要望が強いのが8号線だ。
 1972年に国の計画に位置づけられたものの、その後計画は進まなかった。江東区が近年、実現に前のめりなのは、区側が築地市場(中央区)の豊洲(江東区)への移転条件の1つとして、8号線延伸の早期実現を盛り込み、小池氏もこれを受け入れたためだ。
 ただ都は、2018年度末に東京メトロが国や都の補助を受けて建設、運航することが合理的との方針を示したものの、その後の議論は停滞している。都は20年から、8号線について技術面から検討する「勉強会」を東京メトロなどと始めたが、都幹部も「事業スキームそのものを示せていないのは事実」と計画が進んでいないことを認める。
 都が事業の進め方を示せていないのは、東京メトロが今後は新線を作らない方針だからだ。「6路線」のうち「羽田空港アクセス線」はJR東日本が東京方面のルートの整備を進める方針だ。多摩都市モノレールの延伸事業(上北台ー箱根ヶ崎)は実質的に都の事業のため進めやすく、20年度予算で基本設計に関する調査費を計上した。

 都は東京メトロの株式の46.6%を所有する大株主だが、残りの株式を保有する国(財務大臣)は東京メトロを早期に上場させる方針で、採算性の見通せない新規投資には慎重だ。8号線の延伸は都、国、江東区、東京メトロの利害が複雑に絡み合う。
 「遅々として進んでいるわね」。小池氏は道路建設や無電柱化などの担当部局の職員にこのような言い方でねぎらいの言葉をかけることがあるという。「インフラ整備は長期にわたる。ゆっくりでも進めることが大事」ということを表した言葉だろう。橋や下水道など様々な老朽インフラを抱える都は、修繕や長寿命化の工事を着実に進める必要がある。
 ただ、8号線に関しては「都の考えの機会を見つけて国やメトロに伝える」(江東区議会での都担当者の説明)というだけでは計画は動かない。国との交渉がカギを握るだけに、知事の突破力が問われる案件だ。
 これまで小池氏が先頭に立って国や東京メトロと調整に乗り出すことはなかった。「2基目の公約で言及した以上は、何かが動くのではないか」。関係者の間で高まる期待に小池氏がどう応えるのか、注目が集まっている。

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