新臨海部の魅力創出 ─竹芝エリア 再開発進む─

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新臨海部の魅力創出 ─竹芝エリア 再開発進む─

2019-08-09

 東京都港区の竹芝エリアで再開発が進んでいる。ロボティクスなど最先端の「スマートシティー」が今後登場する。だが、街がもたらすのは最新技術だけではない。晴海などと船でつながれば、新たな交通の要衝になる可能性がある。東京の新たな臨海部の魅力を創り出そうとしている。

 
 7月中旬に開かれたソフトバンクグループの法人向けイベント「ソフトバンクワールド2019」。展示スペースの一角にソフトバンクが2020年後半に移転するオフィスビルとその周辺立体模型があった。「ドローンで指定した場所に弁当を届ける」「掃除は自動ロボで」。ディスプレーは新オフィスで実現する日常を映し出していた。
 東急不動産などが手がける「(仮称)竹芝地区開発計画」では、1万5590平方メートルの敷地に地上40階建てのビルが建つ。そのキーテナントがソフトバンクだ。2020年夏の開業を予定し、次世代通信規格「5G」を活用した壮大な実証実験が始まる。7月に両社はスマートシティーづくりをする計画を公表した。
 竹芝には以前から、島嶼(とうしょ)部との船が発着する竹芝埠頭がある。2棟の複合施設があるがオフィスが中心で、他の臨海部に比べにぎわいがあるとは言いがたい。浜松町駅の西側は芝公園や東京タワーがランドマークとしてあるが、海側は「人の流れが山手線で途絶える」と言われ続けてきた。その先も首都高速道路や新交通システム「ゆりかもめ」を越えていく必要がある。

 「行政と連携し、まちづくりを進めてきた」という東急不などは、駅と竹芝埠頭を結ぶ歩行者デッキの整備を進める。駅と「直結」することで往来を活発にし、にぎわい創出をねらう。陸上でのアクセス向上も重要だが、竹芝の最大の潜在力は海に面していることだ。
 「これは構想段階だが……」。東京都関係者は前置きした上でこう話す。「晴海と竹芝を船でつなぐと交通が大きく改善する」
 晴海埠頭(東京・中央)に建設中の2020年東京五輪・パラリンピックの選手村は大会後、「ハルミフラッグ」と名前を変え、5千戸超の住宅街になる。陸路で品川や六本木、新宿方面へ向かうには、新たにできる新橋などと結ぶBRT(バス高速輸送システム)が主要交通機関となる。だが、晴海から船で竹芝へ行ければ時間の大幅な短縮につながる。都や民間から舟運を期待する声は小さくない。


 竹芝エリアでは野村不動産も開発に取り組む。子会社が運営する芝浦の東芝本社ビルを、周辺と一体で再開発する計画を進めている。
 野村不も海を重視する。注目するのは芝浦の海側にあり、都が不定期航路用の桟橋を整備した日の出埠頭だ。ターミナルとして同社は「Hi─NODE(ハイ─ノード)」を造った。海を一望する飲食店のほか、イベントやバーベキューができる芝生公園などがある。
 同埠頭と竹芝埠頭は今夏、連絡橋ができた。歩いて回避できるようになり、一体性が強まった。
 竹芝エリアではほかに、JR東日本などが浜離宮恩賜庭園を臨む場所に劇場やホテル、商業施設などの複合施設「ウォーターズ竹芝」を計画する。さらに浜松町のシンボルである世界貿易センタービルディングも建て替えられる予定だ。海と陸をつなぐ新たな交通の要衝になるか、竹芝の挑戦が始まった。

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