臨海部開発に追い風 ─都営地下鉄、累損解消へ─

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臨海部開発に追い風 ─都営地下鉄、累損解消へ─

2019-02-15

 東京都は都営地下鉄の累積欠損金を、2028年度に解消する見通しとなった。沿線で人口が増える大江戸線を中心に、運賃収入の増加が見込まれるためだ。17年度末時点で2600億円の累損があったが、都は毎年度200億円程度の黒字を確保できるとみており、解消にメドをつけた。累損の重荷がなくなることで、今後はバリアフリー設備の増強などサービス向上の余地が広がりそうだ。
 都営地下鉄は00年の大江戸線全線開通後、乗車人員が飛躍的に伸びた。00年度に1日当たり約164万人だった乗車人員は、17年度は約275万人に達した。臨海部を中心にマンション開発が進み、同線の沿線人口が急増したことが寄与している。
 赤字続きだった単年度決算も改善し、06年度に初めて経営黒字に転換。17年度は経営黒字が340億円まで増え、営業黒字も265億円計上するまでになった。関係者は「堅く見積もって、28年度に累損を解消できそう」と話す。
 累損は00年度のピーク時には約5600億円まで膨らんでいた。公営交通は一般的に、住民の利便性確保のため不採算路線でも維持することがあり、単年度収支が赤字に陥りやすい。累損が膨らむとサービスの充実が困難になり、一般会計での補填が必要になれば自治体財政全体にも影響する。

 都は大江戸線以外でも、都営地下鉄の需要増に対応する。三田線や新宿線で車両を増やし、輸送力を高める。
 都営地下鉄は累損とは別に、17年度末時点で過去の建設費の借り入れを中心に約7200億円の長期債務を抱える。かつて都は都営地下鉄と東京地下鉄(東京メトロ)の経営一元化を模索。だがメトロ側が都営の累損や長期債務を問題視し、都の方針に異議を唱えた経緯がある。
 現在、都内庁では一元化議論は下火になっている。外国人を含む多くの観光客が訪れる20年東京五輪・パラリンピックを見据え、料金通算化などメトロと都営とのサービス一体化による利便性の向上が現実的との意見が強くなっている。

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