始動する臨界部経済圏 ─再び開発の波、姿現すネオトーキョー─

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始動する臨界部経済圏 ─再び開発の波、姿現すネオトーキョー─

2018-10-25

 東京臨海部の広大な敷地を舞台に、大型マンションやホテル、オフィスなどの複合的な開発が急ピッチで進んでいる。2020年の東京五輪・パラリンピックを控え、開発の波が押し寄せている。新たな成長地域「ネオトーキョー」が姿を現す臨界部経済圏の可能性を探った。

「開通すれば新橋方面に行くのがすごく便利になる」
 9月中旬、東京都が開催した幹線道路「環状2号」の見学会。中央区勝どきのマンションに住む会社員の男性(60)は笑顔で話した。東京都千代田区から港区、中央区などを経て、江東区有明までつながる。
 環状2号を南下すると、中央区晴海の西側に建設中の五輪選手村が見えてくる。選手村に使われる集合住宅を中心に大規模な宅地開発が行われる。三井不動産レジデンシャルや三菱地所レジデンスなど11社が参加。24棟で計5600戸を建設する。街びらきは22〜23年になる見通しだ。
 都が掲げるのは「環境先進都市のモデルケース」。環状2号沿いには水素ステーションを開設。東京ガスなどが運営し、地下に張り巡らせたパイプラインから燃料電池に水素を補給し、各住戸に熱や電力を供給する。

 環状2号にはBRT(バス高速輸送システム)が走り、住民の通勤・通学から観光まで様々な足となる。さらに有明には20年春、住友不動産が約800室、豊洲では清水建設が500室超のホテルができる。
 東京都や民間が臨海部にこれだけ力を入れるのは1980〜90年代に浮上した「臨海副都心構想」以来だ。商業施設が相次ぎ開業、フジテレビが本社を台場に移したが、オフィスの集積は進まなかった。95年に当時の青島幸男知事が世界都市博覧会を中止したこともあり失速した。
 反面、進んだのが住宅の集積だ。勝どきや豊洲では00年代から高層マンション開発が相次ぎ「湾岸タワーマンション」のブランドが確立。「民間主導で開発が進んだ」(都市政策に詳しい明治大学の市川宏雄名誉教授)
 今回、臨海部に訪れた2度目の開発の波。20年7月には新客船埠頭「東京国際クルーズターミナル」が開業する。青海はカジノを含む統合型リゾート(IR)の候補地にも名前が挙がる。

 臨海部にはまだ「フロンティア」がある。青海より南側の中央防波堤埋め立て地だ。この内側と外側に挟まれた水路には五輪のボート・カヌー会場「海の森水上競技場」ができる。
 12年のロンドン五輪では競技会場や選手村の建設を通じ、衰退した工業地帯・東部ロンドンが再生した。都は臨海部の将来を重ねる。副都心構想の頓挫から約20年。市川名誉教授は「スポーツやエンターテインメント、最新技術を集めた未来都市にすべきだ」と説く。

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